CSのAI自動化の進め方

手動返信の履歴をためて、AIが返信案を出す仕組みにするまで|v1・2026-10-25

AIの返信の質は、最初に返信する人で決まる

  1. いきなりAIに返信させません。
    まず成果を出せる人が手動で返信して、その履歴をAIの見本にします。
  2. 問い合わせを全部同じ熱量で作り込みません。
    成約・セミナー参加・個別相談の着座につながるところに重みを置きます。
  3. AIに任せるのは返信案まで。
    人が直して、直した内容をAIに戻す。
    これを繰り返すと、直しはほとんどなくなります。

手動2週間 → AIの返信案 → 人の確認、の7ステップ

STEP 01まず人が手動で返信する

CSの返信をするディレクターを1人用意して、手動で返信していきます。
求めるのは、返信して終わりではなく、ユーザーをちゃんと次の行動に誘導できる人です。

ディレクターに求めること

  • セミナーの参加率を上げられる
  • 個別相談の着座に誘導できる
  • 成約をこぼさない
この人の返信が、そのままAIの見本になります。
AIの返信は見本の質を超えにくいので、誰に返信を任せるかが一番大事です。
1人に絞るのは、口調と誘導の型を1つにそろえるためです。複数人で返すと見本がバラつきます。

STEP 02返信の履歴をスプシにためる(2週間が目安)

ディレクターが返信した履歴を、UTAGEのAPIで取得していきます。
手動で取得してもOKです。

スプレッドシートにまとめながら進めると、次のカテゴライズがやりやすくなります。

期間はリストの量にもよりますが、2週間くらいが目安です(長くても1ヶ月)。
2週間やれば、同じような問い合わせはだいたい出そろいます。

スプシの列の例

日時ユーザー届いたメッセージディレクターの返信カテゴリその後の行動
10/21 20:14 Aさん 土曜のセミナー、仕事で途中からの参加になりそうなんですが大丈夫ですか? 大丈夫です!途中からでも参加できます。
後半に一番大事な話をするので、そこだけでも持ち帰れるものがありますよ。
入れそうな時間が分かったら教えてくださいね。
セミナー参加の迷い 参加 → 個別相談を予約

カテゴリはSTEP3で記入します。
その後の行動(セミナー参加・個別相談の着座・成約)まで書いておくと、どの返信が成果につながったかをSTEP3で判断しやすくなります。

STEP 03成果につながる問い合わせに重みを付ける

たまった返信を、内容ごとにカテゴライズします。

全部を頑張る必要はありません。
セミナーの参加率を上げる・個別相談の着座に誘導する・成約につなげる、という成果に直結するところだけ作り込みます。

重要度 高|作り込む

  • 成約に関する質問への回答
  • セミナーに参加するか迷っている人への返信
  • 個別相談の予約・着座への誘導

重要度 低|頑張らなくていい

  • Zoomに入れません
  • ログインできない・URLが見つからない
  • その他の操作の質問

定型の案内を返せば十分です。

カテゴライズできたら、どういう内容が重要か(優先度が高いか)をAIに伝えて、重み付けしてもらいます。

AIへの頼み方の例
以下はCSの問い合わせと、それへの返信の履歴です。
内容ごとにカテゴリに分けてください。
そのうえで、各カテゴリに重要度(高・中・低)を付けてください。

【重要度の基準】
・高:成約、セミナーへの参加、個別相談の着座に直接つながるもの
・低:Zoomの入り方など操作の質問で、定型の案内で済むもの

【出力してほしいもの】
カテゴリ名/件数/重要度/その理由/代表的な問い合わせの例

(ここにスプシの履歴を貼る)

STEP 04AIが参考にする返信プロンプトを1本作る

ここまでの材料をまとめて、AIが返信するときに毎回参照するプロンプトを1本作ります。

プロンプトに入れるもの

  • 返信の目的:セミナーの参加率を上げる・個別相談の着座に誘導する・成約をこぼさない
  • 返信のフロー:どう受け止めて、どう答えて、どこに誘導するか
  • 口調:ディレクターの実際の返信から抜き出す
  • カテゴリと重み:STEP3の結果。重要度が高いものほど丁寧に、次の行動まで誘導する
  • 返信の見本:ディレクターの良かった返信を、カテゴリごとに数件
  • 人に回すもの:返金・クレームなど、AIに答えさせないもの
プロンプトのひな形
あなたは〇〇(サービス名)のCS担当です。
ユーザーから届いたメッセージに対する返信案を作ってください。

【返信の目的】
・セミナーへの参加率を上げる
・個別相談の着座に誘導する
・成約につながる相談をこぼさない

【返信の流れ】
1. 相手の状況や気持ちを受け止める
2. 質問に答える
3. 次の行動(参加・予約など)を1つだけ示す

【口調】
(ディレクターの返信から抜き出した特徴を書く。例:語尾は柔らかく、絵文字は1つまで、長さは3〜5行)

【カテゴリ別の方針】
・重要度 高:(カテゴリ名)→ 丁寧に答えて、必ず次の行動まで誘導する
・重要度 低:(カテゴリ名)→ 定型の案内を短く返す

【返信の見本】
(カテゴリごとに、ディレクターの良い返信を2〜3件)

【返信せずに人に回すもの】
・返金、解約、クレーム
・料金や条件で、ここに書いていないこと
→ この場合は返信案の代わりに「要確認」と書く

STEP 05メッセージが来たら、AIが返信案を自動で出す

CRM(UTAGE)側のAPIとつないで、ユーザーからのメッセージを自動で取得します。
取得したメッセージに、STEP4のプロンプトを通して返信案を作ります。

最初は返信案をスプシに出すようにします。
いきなり送信まではつなぎません。

ユーザーからメッセージ
→
CRMのAPIで自動取得
→
AIが返信案を作るSTEP4のプロンプト+Gemini 3.8 Flash
→
スプシに返信案が並ぶ
モデルは、今だとGemini 3.8 Flashがめちゃくちゃ良いので、これをつないでおくのがおすすめです。

返信案シートの列の例

受信日時ユーザー届いたメッセージAIの返信案人が直した返信直しの有無
(自動)(自動)(自動)(自動)(人が記入。直さなければ空欄)あり/なし

STEP 06人が確認して直す。直した内容をAIに戻す

最初は、AIの返信案を人が確認します。
OKになるまで人が書き直して、それをAIに学習させます。

学習といっても難しいことはありません。
直した返信をプロンプトの見本に足したり、直した理由をルールとして書き足したりする形です。

AIが返信案を出す
→
人が確認して書き直す
→
直した内容をプロンプトに反映見本の追加・ルールの追記
↺ もう一度AIが返信案を出す(直しがほぼなくなるまで繰り返す)
これを繰り返していくと、だんだんほとんど直しなく返信できるようになります。
しかも今はAIの精度がかなり高いので、この学習期間はそんなに長くいりません。

スプシの「直しの有無」の列を見れば、直しが減ってきたかどうかが数字で分かります。

STEP 07送信まで自動にするかは、案件ごとに決める

直しがほとんどなくなったら、APIをつないでメッセージの送信まで自動化することもできます。
ここはやるかやらないか、案件によって自由です。

人が確認して送る(僕のところはこちら)

AIの返信案を人が見てから送ります。
僕のところはちょっと怖いので、一旦人が確認して送るようにしています。

送信まで自動化する

直しがほぼなくなってからにします。
やるなら、重要度の低いカテゴリ(Zoomの入り方など)から自動にすると安全です。